マルコによる福音書

福音書

マルコ福音書の特徴

マルコってどんな人?

マルコはペテロから、イエスの教えと行われた御働きについて詳しく学び、それを福音書として書き記したと言われています。

ペテロ第一の手紙5:13では、ペテロは「わたしの子マルコ」と呼んでおり、おそらく自らマルコを伝道して、教育をしながら大切に育てていたのだと思われます。

マルコの母親マリヤは、エルサレムに住んでおり、彼らの家は最も初期のキリスト教徒たちが、集う場所となっていました。

また、使徒行伝12:12にでは、マルコと呼ばれるヨハネ、という記述があります。

このように名前が二つあるのは、ヘブライ名「ヨーハーナーン」(主は恵みを示されたという意味)と、ラテン名「マールクス」、ギリシャ名「マルコス」となり、言語によって呼び名が異なることから、このように表記されました。

マタイが主にユダヤ人たちに向けて書いたのに対して、マルコは異邦人のキリストを信じる人たちに向けて福音書を書きました

イエスの教えよりもイエスの行いにフォーカスを当てて、日々迫害に直面している人々の信仰を激励しながら、イエスの弟子になるということがどういうことなのかを伝え、救い主イエスの生涯についてテンポよく、簡潔に書き記しています。

また、マルコはマタイのようにイエスの系図や生い立ちは一切書きませんでした。

それはおそらく、異邦人たちにとってはイエスの家系などはあまり重要ではないだろうと考えていたためかも知れません。

イエスの十字架による救いを強調したマルコ

マルコ8:31、9:31、10:33では、イエスがご自身の行く道をあらかじめ弟子たちに示しました。

8:31 人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちに捨てられ、また殺され、そして三日の後によみがえるべきことを、彼らに教え初め、

9:31 人の子は人々の手にわたされ、彼らに殺され、殺されてから三日ののちによみがえるだろう

10:33 見よ、わたしたちはエルサレムにのぼっていくが、人の子は祭司長、律法学者たちの手に引きわたされる。彼らは死刑を宣告した上、彼を異邦人に引きわたすであろう。また彼をあざけり、つばきをかけ、むち打ち、ついに殺してしまう。そして彼は三日の後によみがえるであろう。

このように三回もイエスの十字架のことを入れることで、マルコはイエスの十字架こそが、私たちを救ってくれた、十字架こそがメシヤである証なのだと強調したのです。

マルコはイエスの教えよりは、おこなった奇跡や癒しの御働きに重点を置きました。

異邦人は旧約聖書を知らないから、イエスが旧約の預言を成した人なのだと言ってもピンとこないだろうし、それよりは、たくさんの人々の病気を治した偉大な方なのだと話したほうがよりインパクトを与えることができると考えたのでしょう。

章立ても16章と短く、テンポ良く、歯切れ良く簡潔に書かれているので、とても読みやすく、内容がスッと頭に入ります。

異邦人の私たちにも有難いこのマルコ福音書から、トライしてみても良いかもしれません。

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